貸金業法が改正され、消費者金融の金利は大幅に下がりました。またそれだけではなく「総量規制」という規定が新しくでき、個人に対しては年収の3分の1以上は貸し出しできないことになりました。この二つの理由で、一時は非常に多かった多重債務で苦しむ人は随分減ってきたようです。
それをよく示すのが自己破産件数のデータです。ピークの平成15年には25万件ぐらいあった自己破産件数が、最近では10万件を切るほどまで下がってきています。とは言え、いまだに年間10万件も自己破産があることは、まだ多重債務で苦しんでいる人は少なくないということが推測できます。
多重債務とは複数の債務を抱えて支払いが困難になっている状態です。ではいったいどのようなプロセスを経て、こうした多重債務に陥るのでしょうか。
誰だって一気に多重債務に陥るのではありません。これに至るまでには年月を経たプロセスがあるのです。たいていの人は最初は軽い気持ちでキャッシングに臨みます。いまではテレビなどで消費者金融のCMがたくさん流れており、そうしたCMのいずれもが借り易さや返済のしやすさなどをアッピールしています。
そうしたCMの影響を受けて、深く考えずについキャッシングに踏み込むのです。でも怖いのはそのあとです。最初に簡単に貸してくれたことに気を良くした利用者は、2回目もあまり考えずに、違う会社から借入をします。その後半年ぐらいきっちり支払いを続けていくと、今度は消費者金融側から融資限度枠を広げる追加融資を持ちかけられます。
つまり「融資限度額の枠を増やす」という連絡があるのです。こうした時は深く考えずその申出に乗って追加融資に応じてしまうものです。でもこれが仇となって、次第に返済金額が大きくなっていき、そのうち支払いに支障をきたすようになり、返済資金に当てるために、また別のところから新規に借入をしてしまうのです。たいていはこうしたプロセスで進むのが多重債務の道です。
でもこれは決して人ごとではありません。ちょっと油断すれば、誰でも多重債務に陥る可能性はあるのです。
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