貸金業者は言うまでもなくビジネスで人にお金を貸しています。そのビジネスが成り立つのは利息があるからです。ビジネスをよりよいものにするためのは、より多くの利息の獲得が必要になってきます。
したがって多くの貸金業者はより多くの利息獲得のためにいろいろな戦略や戦術を立てます。その一つが限度額の増枠です。では増枠はどのようなプロセスでなされるのでしょうか。まず利用者が最初に借入を申し込んだときには、貸金業者は審査を行い利用者に対するその時点の融資限度額を決定します。
限度額を決める基準は、勤務先の会社や勤続年数、それに年収や他からの借入状況などを総合的に見て決めます。もちろん総量規制という年収の3分の1までという金額も考慮に入れて判断します。そうして出てきたのが融資限度額です。
貸金業者はある程度の期間がたち一定額の返済があると、途中で融資限度額を増額し、その旨を利用者に連絡します。つまり最初30万円だった限度額を、「もう10万円増やしますよ」、というような連絡です。
ではなぜ途中でこうしたことをするのでしょうか。これは言うまでもなく、より多くの金額を貸して、多くの利子を得るためなのです。でもむやみやたらにするのではなく、一定期間の利用者の返済状況を見て、それに問題なかった場合のみ増額を決定するのです。もちろん半年の間に1回でも返済に遅延があったりすればこれはなされません。
しかもこの増枠は1回だけではなく、その後も半年刻みぐらいで延々となされるのです。したがってもし2年間ちゃんと返済を続けているとすると、その間に3回ぐらい増額の連絡があるのです。増枠の怖いのはこれなのです。貸金業者の連絡にあわせて増枠に応じていると、借入総額はみるみる膨らんでいって、そのたびに返済期間も延びていくからです。
返済期間が延びるということは利息が次第に嵩んでいき、それにともなって返済総額もそれだけ大きくなるのです。これは多重債務に陥る危険性をじゅうぶんに含んでいます。こういう訳で業者からの増枠にはやすやす乗ってはいけないのです。
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