<保証人になったばっかりに借金の肩代わりをさせられ、250万円余の貯金がほとんどなくなった上に、更に毎月2万円の返済が>知り合いにこんな悲惨な目に遭った人がいます。その人は知人に懇願され、断りきれず借金の保証人になったのです。家のリフォームに充てるのだと言って300万円のカードローンを組むと言うのです。
<保証人があった方が金利が安くなるので返済が楽でその上早くすむ>と言って熱心に頼んだのです。家族ぐるみで長年付き合ってきた知人のことだけに無碍には断れず、仕方なく連帯保証人を引き受けてしまったそうなのです。ところが家のリフォームというのは大嘘で、借りたお金はバクチでできたヤミ金からの借金返済のためだったのです。
でもそれで借金返済がすんだのならいいのですが、実は別の借金を抱えていたのです。そのため300万円のカードローンの返済はすぐ行き詰まってしまい、なんと半年後には家族もろとも行方不明になってしまったのです。これがいわゆる<夜逃げ>と言うのでしょうか。
いつの間にか荷物も運んで行方をくらましてしまったのです。借りた先は街の小さな信用組合でした。余裕がないのか、ろくな話し合いもなしに、すぐ請求の矛先が保証人である知人に向けられたのです。300万円のうち265万円が借入残高として残っていたのです。
その後信用組合とは何度も話し合いました。でも逃げた知人の行方が一向に分からない以上、いつまでも待っては暮れません。それに時間をおけば益々利息が嵩んでいきます。したがって泣く泣く貯金をはたいて支払うことにしたのです。貯金は250万円ぐらいありましたが、全額当てるわけには行きませんので、50万円残して200万円を充てることにしました。
でもそれでは借入はまだ65万円残ります。仕方なくそれは月々2万円の分割払いにしてもらいました。金利が14%ですから払い終えるには3年ぐらいかかります。知人は悔し涙を流しながら今もそれを払い続けています。しかし保証人とは怖いものです。他人の借金を丸ごと肩代わりさせられ、地獄の思いを味合わされるのです。これまで人づきあいを大事に考えてきた結果がこうなってしまったのです。
このことがあって以来、<人が信じられなくなってしまった>と知人は言っていました。そのために、それまで付き合ってきた人たちも次第に疎遠になったそうです。保証人になったばっかりに大事な人間関係さえ崩してしまったのです。しかし、こんな保証人制度がいまだに大手を振って存在していて良いのでしょうか。
借金をした本人が返済に苦しめられるのは仕方ないとしても、保証人が同じような目に遭うのは、どう考えても理不尽なことです。知人のことはもうすんでしまったことですから仕方ないにしても、今後も同じような目に遭う人が出てくることを考えれば胸が傷みます。
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